聖なる怠け者の冒険 森見登美彦

小説

あらすじ

一年ほど前からそいつは京都の街に現れた。虫喰い穴のあいた旧制高校のマントに身を包み、かわいい狸のお面をつけ、困っている人々を次々と助ける、その名は「ぽんぽこ仮面」。彼が跡継ぎに目をつけたのが、仕事が終われば独身寮で缶ビールを飲みながら「将来お嫁さんを持ったら実現したいことリスト」を改訂して夜更かしをすることが唯一の趣味である、社会人二年目の小和田君。当然、小和田君は必死に断るのだが…。宵山で賑やかな京都を舞台に、ここから果てしなく長い冒険が始まる。

「BOOK」データベースより

森見登美彦ワールド

「そうだ、京都行こう。」

森見登美彦さんの小説を読むと「京都に行きたい!」となるらしいですが、
自分もその1人になってしまいました笑

物語で出てくる八兵衛明神、四条烏丸交差点など、京都の地名がたくさん出てきました。
いつか、ゆっくりと聖地巡礼したいものです。

特に、この物語の舞台である祇園祭宵山を見に行きたいです。

想像力が必要。。

「夜は短し、歩けよ乙女」も学生時代に読みましたが、挫折してしまいました。

森見登美彦さんの小説は、いい意味で読み手の想像力に委ねられていると思います。

今回も、物語後半で、とある居酒屋の宴席を次から次へと回るシーンがあります。
無限ループにはまるような、カオスな描写が続きます。

読んでいて、「酔い」を感じたのはこの本が初めてかもしれません。

その感覚もふくめて、森見さんの摩訶不思議な京都に入り込めて楽しかったです。

個性豊かなキャラクター

  • 小和田くん・・・とことんまで怠ける。むしろストイック。これでも主人公。
  • 玉川さん・・・冒険に飛び込みたいが、方向音痴でチャンスを逃す。
  • ぽんぽこ仮面・・・数々の善行が世に認められた怪人。でも、色んな人から追われることに。。
  • 恩田先輩と桃木さん・・・休日を徹底的に計画する。恋人同士。
  • 筆者・・・節々でなぜか出てくる。人生哲学的なことをおっしゃる。

一人一人、時間に関する考え方が違っていて、自分はどのタイプだろうと考えたりしました。
あなたは、どのタイプでしょうか?

あなたは、ちゃんと怠けられてますか?

内なる怠け者

内なる怠け者の歴史は長い。我々は人類であるよりも前に、まず怠け者であった。
ご先祖様が木の上で暮らすのをやめたのは、木に登るのが億劫だったからである。

聖なる怠け者の冒険 森見登美彦

何があるわけでもないけど、なぜか時間に追われている感覚ありませんか?

わたしは、最近何かと30歳を意識してしまいます。

この筆者の言葉で、肩の力が少し抜けました。
人間誰もが、デフォルトで怠け者。
それなら少しくらい休んだっていいじゃない。にんげんだもの。

何しろ、この物語の主人公である小和田くん、4章あるうちの2章まるまる寝てしかいません。
描かれるのは、ほとんど夢の中の世界です。
「あきれた!」

人生堂々巡り

玉川さんは方向音痴。一度通った道も帰るときには全く違った道に見えるそう。
その気持ち、わからなくもない。。

3回も宵山の街を迷って、柳小路にまた戻ってくる場面があります。
この場面は展開が進まなすぎて、正直煩わしかったです。

「迷えるときに迷えるのも才能だ。」
「その才能、何の役に立つんですか?」
筆者としては浦本探偵の言いたいことも分かるし、また、玉川さんの気持ちもわかるのである。小冒険を嗤う者は小冒険に泣く。何もしていないかのように見えて何かしていることがある。もちろん、何もしていないかのように見えて本当に何もしていないときもある。人生は一筋縄ではいかないのである。

聖なる怠け者の冒険 森見登美彦

「心に余裕を持ちたい」という人に読んでいただきたい、そんなお話でした!

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